衣替えシーズン真っ只中、春夏ものをしまう前にお洗濯をしてから….という方も多いと思います。
お洗濯の前に、洗濯タグの表示をちゃんとチェックしていますか?
洗濯マーク(絵表示/記号)は、JIS(日本工業規格)の「繊維製品の取扱いに関する表示記号」で規定されています。洗濯表示によって、洗い方や干し方、アイロンのあて方など、適切な取り扱い方法を知ることができます。
この洗濯表示が、来年の平成28年(2016年)12月1日から、海外の表示に合わせて変わります。
そこで今回は、洗濯表示がどのように変更されるのかを解説したいと思います。
① 洗濯処理記号
洗濯処理(手洗いまたは洗濯機洗い)を表す記号です。
今までは、洗濯機洗いの場合は「洗濯機」のかたちの記号、手洗いの場合は、「洗濯桶」のかたちの記号でしたが、新記号はすべて、下の洗濯桶のかたちの記号に統一されます。
【付加記号】
①弱い処理を表す付加記号
記号の下の一本線は、下線のない処理よりも弱い処理のこと。
②非常に弱い処理を表す付加記号
記号の下の二本線は、非常に弱い処理を表します。
<2016年11月30日まで>
<新表示/2016年12月1日から>
② 漂白処理記号
漂白処理は、三角形で表わします。
洋服にシミがついてしまった時にチェックが必要な記号です。
今まではフラスコ型の記号でしたが、新しい記号は三角形になります。
漂白剤には塩素系と酸素系があり、どちらの処理ができるかが表記されるようになります。色柄ものにも使える酸素系漂白剤が使えるかわかるようになるのはうれしいところです。
【付加記号】
処理・操作の禁止を表す付加記号
5 個の基本記号に重ね書きした×印は、その記号が表す処理・操作ができないこと(禁止)を表します。
<2016年11月30日まで>
<新表示/2016年12月1日から>
③ 乾燥処理記号
乾燥処理は、正方形で表します。
洋服は、干し方も決まりがあるんです。干し方の記号は大きく変わります。今までは洋服のかたちでしたが、正方形に変更になります。
また【タンブラー乾燥】と【自然乾燥】の記号ができ、より細かくわかりやすくなります。
<2016年11月30日まで>
<新表示/2016年12月1日から>
【タンブル乾燥記号】
【自然乾燥記号】
④ アイロン仕上げ処理記号
アイロン仕上げ処理は、今まで同様、アイロンの形で表します。少しだけ形が変わります。
今までは漢字で温度設定が表記されていますが、新表記ではドットで温度を表します。ドットが増えるほど温度が高く、●は110℃限度(低)、●●は150℃限度(中)、●●●は200℃限度(高)。慣れるまでは、わかりづらいかもしれません。
【付加記号】
処理温度を表す付加記号
処理温度を表す付加記号は、ドット表示します。ドット数が増えると処理温度がより高いことを表します。
<2016年11月30日まで>
<新表示/2016年12月1日から>
⑤ 商業クリーニング処理記号
商業クリーニング処理は、今まで同様に円で表します。
基本的には、クリーニング店が確認する部分なので、細かく覚える必要はありません。
今までは、カタカナで「ドライ」、「ドライ セキユ系」と表記されていましたが、新表記では、パークロロエチレンと石油系溶剤どちらでも可能な時は「P」、石油系溶剤のほうだけ可能な時は「F」になります。
またウェットクリーニングは「W」で表記されます。
<2016年11月30日まで>
<新表示/2016年12月1日から>
【ドライクリーニング】
【ウェットクリーニング】
洗濯記号を確認して、衣類を長くきれいに着よう。
衣類は洗い方を守れば、いつまでもきれいに着ることができます。2016年12月以降に売られる衣類には新表記タグがつきますが、しばらくは新旧が混じった状態になります。
どちらの記号の意味も理解して、大切な衣類を長持ちさせましょう。
<参考>
消費者庁 家庭用品品質表示法
www.caa.go.jp/hinpyo/guide/wash.html
www.caa.go.jp/hinpyo/guide/wash_01.html