毛糸の柔らかな風合いや、見る人にも温かい印象を与えてくれるニットは、寒い季節のおしゃれにははずせません。最近では「洗えるカシミア」や「洗えるウール」といったニット商品が増え、お家でお洗濯している方も多いのでは?
ドライ用の洗濯機コースや洗剤もありますが、正しくお洗濯しているつもりでも、水を使うとどうしても縮みやすくなってしまうのがニットの宿命。
今回は縮んでしまったニットを、自分で元に戻す方法をご紹介します。
おへその上まで縮んでしまったセーター
どこまで元にもどるのか、実験!
お気に入りのセーターが、雑なお洗濯のせいでおへその上までの着丈になってしまい落ち込んでいたところ、「縮んだニットには髪の毛用のリンスやコンディショナーが効く!」という噂を聞きつけ、さっそく試してみました。
1・まずはぬるま湯にリンス類を溶かします。
洗面器や洗面台にぬるま湯を張り、リンスを2プッシュくらい良く溶かします。
この時注意したいのは、温度。高過ぎるとニットの繊維をさらに縮めてしまうので要注意。また、リンスやコンディショナーのシリコン成分が、詰まってしまった繊維をほどいてくれるので「ジメチコン」「アモヂメチコン」というシリコン成分の表示のあるリンスを選んでください。
2・ニットを30分くらい漬け込みます。
ニットが全てお湯に浸るようにして、30分前後漬け込みます。
その際、洗うように動かしたりすると繊維が傷む可能性があるので、ひたすら放置します。例外的に、ニットの縮みがひどい場合はお湯の中でひっぱるように伸ばすのも有効ですが、繊細な毛糸のものなどは型崩れの原因にもなるので慎重に。
3・ごく軽めに脱水をします。
ネットに入れて、洗濯機で1分くらいのごく短い時間で脱水します。時間があるなら、タオルに包んで押すように丁寧に水分を吸わせるのもおすすめ。
脱水前にすすぎはしなくていいの?と思いますが、そこは必要なし。とにかくシリコン成分で伸ばすことがミッション。リンスは着いたままで構いません。
4・ニットを伸ばして干します。
ニットを伸ばしたい方向に引っ張るようにして整えたら、ハンガーにかけるか、平干しをします。縮みが激しい場合は、伸ばしたいサイズや形に厚めの段ボール等を切り、そこにセーターを着させて固定したまま乾かします。
※今回の実験では、ハンガーにかけたまま引っ張って伸ばして干しました。
さて、結果はいかに??
このニットの縮み復活法を実践してみたところ、なんとおへその上丈だったセーターが、おへそが隠れる着丈まで戻りました!
完璧に元の着丈には戻りませんでしたが、8割ほどの着丈に復活。また、縦方向に伸びることは分かったのですが、横方向にはあまり伸びないというニットの特性も確認。
長さを元に戻したい場合には、今回の裏技は試してみる価値ありです。
そもそもニットを縮ませないお洗濯が大切ですが、お気に入りのニットのお洗濯は信頼できるWASH&FOLDのようなプロのいるクリーニング店にお任せするのをおすすめします。